「変わらなきゃいけないってわかってるのに、怖くて動けない」
そんな気持ち、きっと誰にでもありますよね。
『チーズはどこへ消えた?』は、
そんな不安や迷いに向き合っているときに読んで、
「いまの自分に必要なことがここにあるかも」と思えた一冊です。
変化を楽しむって、一気にできることじゃないけど
少しだけ前に進むヒントがほしい人にそっと寄り添ってくれる本だと思います。
あらすじ(前半)
ネズミのスニッフとスカリー、小人のヘムとホーは
いつも迷路で「チーズ」を探し回っていました。
「チーズ」とは
ある人にとっては人生の目標であったり、成功、幸せとか、そういうもの。
そしてついに、ネズミの2人と小人の2人は
チーズステーションCで好みのチーズを発見したのでした!

しばらくの間チーズを楽しんで、「これがずっと続くんだ」と安住していたある日。
ヘムとホーは、チーズがなくなっていることに気づきます。
「こんなことがあっていいわけがない!」と2人はショックで凍りつき
どうしてこうなったのか、考え続けました。
でも、いくら考えても状況は変わりません。
そんな日々が続き、状況は変わらないことに気がついたホーは
「チーズステーションCを離れて新しいチーズを探しに行こう!」と提案します。
しかしヘムは言いました。「ここが居心地がいい。他のところは危険だ。」
ホーもその言葉を聞いて怖気付いてしまって、不安を抱えながらも動き出せません。
同じ日々を繰り返しますが
やがてホーは元気を失い、現状に限界を感じ始めます…。
チーズはないのに現状が居心地が良く感じてしまう
ここまで、物語の前半をたどってきました。
「今のままじゃダメかもしれない」とうすうす感じてる。
でも、辛さを感じているにも関わらず「ここが居心地がいい」と思ってしまう。
すごくわかる…!と共感してしまいました。
こういう感覚って、誰にでもあるものだそうです。
心理学では「現状維持バイアス」と呼ばれていて、
人は変化に対する不安やリスクを、つい必要以上に大きく見積もってしまうらしいんです。
たとえ今の状況に不満や不便があっても
「今のほうが安全だ」「変えるのは危険だ」と感じてしまうことがあるんです。
あらすじ(後編)
ホーは迷路に出かけるのが怖いと思いながらも、
勇気をだして新しいチーズを探しに出かけました。
困難なこともあったけれど、「恐れていたほど大変ではないな」と
ホーは思いました。

ある日、新しい方向に進もうとしたとき
ホーはとても強い恐怖を感じました。
でも、「もし恐怖がなかったらどうするだろう?」と自分に問いかけて
勇気をだして新しい道に足を踏み出してみました。
すると、不思議と心が軽くなり、満たされるような感覚になりました。
恐怖を乗り越えることで、楽になれることを実感したのです。
ホーは、自分がチーズの山に囲まれているところを想像しました。
すると、イメージが現実になるような気がしてきます。
「なぜもっと早くこうしなかったんだろう?
変化はこんなに素晴らしいのに。」

そしてついに、ホーは新しいチーズステーションNを見つけたのです!
そこには、すでにネズミのスニッフとスカリーがいました。
2匹は変化にいち早く気づき、深く考え込まずにすぐ行動していました。
そのおかげで、ホーがたどり着くずっと前に、新しいチーズを手に入れていました。
ホーはこの経験を通して、
「変化に早く気づき、自分も変化すること」の大切さを学びました。
そして、心の中で願います。
「ヘムも、自分を変えることができますように。」
もし恐怖がなかったら何をするだろう?
変化ってやっぱりちょっと怖い。
現状を変えないといけないことは分かってるけれど
現状維持のほうが安心だし、今のままでいいかな〜って思ってしまうこともあります。
でも、「もし恐怖がなかったら何をする?」と言われて
”こうしたい”と思えることがあるのだとしたら
その気持ちを大切にしたほうがいいんだと思います。
そのままの状態で止まっていたら、ホーのように気力も少しずつ失ってしまうかもしれない。
これまでの人生の中でも、
怖くても勇気を出して立ち向かって、行動している方が
心が楽になって、充実しているということが実感としてあるなと思いました。
またあの感覚になりたいな〜と最近よく思うんです。
怖さがあっても
ほんの少し前に進むことで、自分の中の景色が変わる気がします◎
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