6月に和歌山県の熊野古道を歩いてきました。
熊野三山を目指す熊野古道は道自体が世界遺産になっている世界でも珍しい例です。
道の世界遺産は世界に2つで、日本の「紀伊山地と霊場と参詣道」とフランスとスペインにある「サンディエゴ・デ・コンポステーラ巡礼路」のみ。
そんな貴重な道が日本にあると考えたら歩かずにはいられないですよね。
熊野古道を歩くのにおすすめな時期は実は梅雨時期なのです。
思い切り山道なのに雨に降られる梅雨の時期が何故おすすめなのかと思われると思いますが、
その理由を実体験として紹介したいと思います。
雨に濡れて美しい石畳
熊野古道のルートとしておすすめと言われているのが
大門坂~熊野那智大社・那智の滝 ルート です。
大門坂入り口から熊野那智大社まで600mほどの石段の道を登っていくのですが
杉木立に囲まれただでさえ神聖な雰囲気があります。
雨のシーズンに大門坂を歩くことで苔むした石段がより雨によって鮮やかになり
雨で濡れて光る石畳はより神秘的な雰囲気を醸し出してくれます。
梅雨時期だと一層その雰囲気を味わえるはずです。
実際わたしが大門坂を登ったときは雨は降っておらす曇りでしたが、
連日雨が降っている時期ということもあって湿気でいい感じに苔むしていて
きれいな景色でした。
写真で見る以上に石段の段差が急なので
涼しい中登って行けるのはありがたかったです。
熊野那智大社であじさいを楽しむことができる
熊野那智大社に到着して入口の鳥居をくぐるとすぐの場所に
あじさい園があるんです!
こんもりとたくさんの紫陽花が色とりどり咲いていて
自由に見て楽しむことができます。
熊野那智大社は登ってきた分高い場所にあるので、空との景観もすごく綺麗でした。
熊野那智大社にあじさい園があることをいくまで知らなかったので
本当にうれしくて来てよかった〜と心から思いました。
熊野那智大社の手水舎にはたくさんの美しい紫陽花の花が浮かべられていて
素晴らしい花手水がみられます。。!
あまりの美しさに心が躍ってずっと見てしまいました。
わたしにとっては間違いなく、今まで見た中で一番きれいな花手水でした。
境内にもいたるところに紫陽花が飾られていて
(巫女さんががんばって装飾してくださっていました)
楽しませていただきました♪
絶対に紫陽花の咲く梅雨の時期をおすすめしたいです。
梅雨のシーズンは人がとても少ないので思う存分雰囲気を楽しめる
私が行って感じたのは、歩いてる人の少なさです!
大門坂〜熊野那智大社ルートを歩いているときも、
発心門王子〜熊野本宮大社ルートを歩いているときも
歩いている人が自分以外に全くと言っていいほど居らず。。
人に会いませんでした。
途中でお店の人に聞いたのですが
梅雨時期前のGWごろや、あたたかくなってきた5月頃はかなりの人が歩いているそうで
(人が居なすぎて私には全く想像できなかったけど)
「この梅雨の時期がおすすめなのよ〜!」とお店の方もおっしゃっていました。
わたしは歩きながら景色やお花の写真をたくさん撮っていたのですが
人が映り込むこともなく、人に気を使うこともなく、気ままに歩くことが出来ましたよ。
帰ってきてから母親に写真を見せると、
人が居ないのを見計らって写真を撮ったのかと思った!と言われました(笑)
発心門王子〜熊野本宮大社ルートでフレッシュな紫蘇ジュースが飲める♪
熊野古道では2km〜3km間隔で休憩所が設けられていて、
発心門王子〜熊野本宮大社まで約7kmの道のりの間にもいくつかの休憩所があります。
その道のりの途中、伏拝王子(ふしおがみおうじ)という地点に
「伏拝茶屋」というお茶屋さんがあります。
ここで、運営しているおばあちゃん達から「休んでいきな〜!」と声をかけていただいて
休憩することにしました。
そこで「紫蘇ジュース」を注文しました♪
すると
「この紫蘇ジュースは一昨日仕込んだばかりで出来立てホヤホヤの1番のりだよ〜!」と
教えてくれました。
できたての紫蘇ジュースが美味しくて、「おいしい、おいしい」と言っていると
おばあちゃんが「そんなに美味しいなら500円にしよか〜!」と言っていてほんとうに
面白かったです(笑)
実際は紫蘇ジュース200円なのです。うれしい。。!(お菓子もいただいてしまいました)
どのシーズンでも飲むことができるのかは分からないのですが
紫蘇ジュースの時期でもある6月ごろの梅雨シーズンはやっぱりおすすめだなと思いました。
余談ですがこのお茶屋さんで交代で働いているおばあちゃん、
普段は熊野古道の語り部をしているそうです。
はじめて歩くときは見どころが分からないだろうから語り部を利用するといいよ〜!と
教えてくれました。
その日は私以外に誰も歩いている人がいなくてお客さんもいなかったので
熊野古道のことを沢山教えてくれて、もう語り部なくても大丈夫だね(笑)と言ってくれました(^^)
すごくアクティブなおばあちゃんで
昔は日本中や世界各地に旅行や登山にいっていたそう。
色々なことを知っていてお話が楽しかったです。
どんな経験をしているか話してみないと分からないですよね。。!尊敬します。
そんなアクティブなおばあちゃんでも、「今は歳だからよう行かん。若いうちはなんでもできる、自分の足でどこでも行けて健康なことが一番幸せなんやで。」
若いうちは何でもできる、としきりに言ってくれて、すごく心に響きました。
いまある健康が当たり前じゃなくて、今だからできることがいっぱいあるのかなって思ったし
やりたいことを先延ばしにしないでどんどんやってみろってことだなと思いました。
ものすごくいい話をしていただいてありがたかった。。
こういうお話も人が多い時期だったらゆっくり出来なかっただろうし、
6月の雨の中行ってよかったな〜、と思えたひと時でした。
登山道の霧がかった景色が神秘的だった
熊野古道は「紀伊山地と霊場と参詣道」というだけあって、それだけで神聖な道を歩いている
という感じがする場所ですが
雨が降り霧がかった山々を見るとさらにその神聖さが増していきます。
一般的な登山であれば天候に恵まれているに越したことはないと思いますが、
熊野古道に関してはこの独特な雰囲気を味わうにあたって、
雨だからといって悲観する必要は全くなく
むしろ雨だからこそより神聖な空気を感じながら歩くことができるというメリットがあります。
気温は高めなので雨だからと言って身体が冷えてしまうということはありませんでした。
しっとりとした雨の中、無心で黙々と歩いたり、
景色をみたり山の音や雨の音、鳥の声などを聞きながらリラックスしたり
本当に楽しい山歩きです。
これはもしかすると人によるところもあるかもしれませんが
私は雨の中歩いている時間が全く不快に感じなかったです。
全くその逆で、本当に楽しくて仕方なくて
森林セラピーというものがあったりするように、ものすごくリラックスを感じていました。
熊野本宮大社に到着した時には、嬉しさもありながら
「この時間が終わってしまった、現実にもどってきた」みたいな
残念な気持ちがあったくらいでした。
あの雨の中の山歩きの時間に戻れるならもう一回あるいてみたいな〜と
今でも思います。
まとめ:梅雨のシーズンに熊野古道はおすすめ!
梅雨のシーズンの霧がかった神聖な雰囲気が
熊野古道にはぴったりと合うことが実際に行ってみてわかりました。
雨に降られると思うと計画しづらい旅行も、
こういった場所ならかえって楽しめるのではないかと思います。
6月には紫陽花以外にもササユリも咲いていたり、色々な植物を
楽しめることができます。
今回はササユリはほとんど終わってしまっていたのですが
ササユリがたくさん咲いているところも見てみたいと思いました。
ぜひ雨のシーズンにどこにも出かけられない〜と悩んだ場合には
行ってみてはどうでしょうか。
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