小田原城で出会う桜と一夜城伝説|春の日の思いつき旅

旅行

4月のある土曜日。
起きたら気持ちのいい快晴。遅く起きた朝だったけれど、コーヒー飲んでたらふと思い立った。

「今日、小田原城行ったらたのしそう?」
もしかして、まだ桜も咲いてるんじゃない?
そう思ったら、出かけたい気持ちがブワっと湧いてきて、これは行くしかない!

旅行気分を味わいたくて、グリーン車に乗って出発。
正午を少し過ぎたころ、やっと小田原駅に到着。

東口から出て右側に進み、地図アプリでは徒歩5分って出てたけれど、のんびり歩いて10分くらいかな?
お堀あたりに差し掛かると、桜が!よかったーまだ咲いてた!

小田原城へ向かう道すがら、桜と赤い橋

お堀にかかる赤い橋は「学橋」。

かつて二の丸広場にあった城内小学校への通学路だったそうで、この名前がついたんだとか。
桜との相性が抜群で、赤い橋が映えてきれい。

そしてこちらは「住吉橋」。
(左側のほう)

2018年に架け替えがあったばかりの住吉橋。
撮影スポットとしてスマホスタンドまで設置されていたな。

復元された銅門と、歴史が刻まれた柱のノミ跡

さらに進むと「銅門」が見えてくる。
出入口のなかでも完成形といわれる「枡形虎口(ますがたこぐち)」で、敵が直進できないように工夫されている。
この構造のおかげで、内部に入り込んだ敵に対して三方向から攻撃が可能になるという仕掛け。


この銅門は平成9年に伝統的な工法で復元されたもの。

平鉋が無かった時代は、よく手斧鉋(ちょうながんな)が使われていて
柱などにこんな感じの“ノミ跡”がついている。

現存天守など見にいっていると見かけるノミ跡なんだけれど
釿での荒削りな加工が模様のようになっていて
味わいがあっていいんだよね。

常盤木門から本丸、天守閣!

常盤木門に続く階段。
見ての通り、桜は葉桜になりつつある。

常盤木門をくぐって、本丸に到着。

正面には立派な天守閣がそびえたっている。

周囲を見渡すと、忍者や武士の格好をした人たちがあちこちに!
小田原城って、けっこうエンタメ要素のあるお城なんだなぁ。
どうやら甲冑や着物の貸し出しもしているみたいで、観光客が気軽に変身できるのも楽しいポイント。

本丸にあったアイス屋さんで、アイスをゲット。
お城とアイス、クセになるな〜〜。
外で食べるって、それだけで特別感あるしね!

天守前では「殺陣(たて)体験」もやっていた。観光客も刀を振って体験できるってやつ。
忍者の格好をした役者の人がカッコよく倒れてくれるから、気持ちよさそうだな〜と思った。

ただ、天守に入るには階段前にずらりと並んだ人の列……正直、並びたくない。
けど、「やっぱり上からの景色が見たい!」という気持ちが勝って、しぶしぶ並ぶことに。ちなみに、小田原城は名字に「城」がつく人は入場無料らしい。

天守内部の展示は見応えあり。一夜城の戦略に思いを馳せる

天守内部の展示は、思っていたよりも見ごたえがある。
いくつかのブースでは小田原城の歴史を映像で紹介していて、知らなかった話もたくさん。

特に面白かったのは、「一夜城」についてのエピソード。

一夜城とは、小田原城からわずか3キロほどの距離にある笠懸山に突如現れた「石垣山城」のこと。
豊臣秀吉が難攻不落と言われた小田原城を攻めるために築いた、天下統一への布石となったお城。

「たった一夜で築いた」と言われているこの城は、実際には数週間かけてこっそり建てられ、最後に周囲の木を伐採し「突如築かれた城」として北条側に見せつけたのだとか。

一夜にして城を築いてしまう、20万の大軍を率いる秀吉の圧倒的な戦力と経済力。
力の差を見せつけられて北条氏は戦意を失い、降伏を選んだとされている。

実際には一夜で建てられたお城ではないけど、
軍勢の数といい、経済力に歴然の差があったことは事実。
北条氏にはその頃5万の兵がいたが、その主力は農民で…
戦わずして民を守るために降伏した判断は、むしろ賢明だと思った。

北条氏直は、最終的に城を開け渡して民を守るという決断を下したという点で
優しさや優秀さが伝わってくるし、実際に豊臣秀吉もその人柄を認めたのか、命を奪うことはしなかったみたい。
そんな秀吉の人柄もまた見えてくるよね。

展示物を通じて、歴史の中の「人物像」がぐっと近づいて見えたのが面白かったな。

天守最上階からの眺望

天守からの眺め。

とくに南側は相模湾が一望できて、とても気持ちが良かった!
箱根や伊丹の山々も。

小田原城天守の最上階には、武士の守護神として信仰されてきた「摩利支天像」が祀られている。
この最上階はかつての小田原城を再現した空間で、
地元の工務店と協力しながら、歴史を後世へつないでいく姿がとてもあたたかく感じられたな。

さいごに

観光地としての派手さもありつつ、地域に根ざした誇りや想いも感じられる場所。
お城って、ただの「建物」じゃなくて、「人の手」と「時間」が積み重なってできたものなんだなぁとしみじみ思いました。

今回は完全に思いつきで来たから、小田原城くらいしか回れなかったけれど──
駅周辺にはお土産屋さんや飲食店がたくさんあって、散策するだけでも楽しそうな雰囲気だった。

今度はちゃんと時間をとって、街歩きもしてみたいな。

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