変化が怖い、現状から動き出せない…。
そんな不安や迷いを抱えたことはありませんか?
『チーズはどこに消えた?』は、世界で2800万部、日本国内で400万部を売り上げた、寓話形式の大ベストセラーです。
この本は、変化を恐れる私たちの背中を押し、
「恐怖を乗り越えるヒント」と「変化を楽しむ心」を教えてくれる一冊です。
「変化するのが怖い…」「一歩踏み出せない…」こういった人にこそおすすめの内容です。
今回は、この本が教えてくれるエッセンスをもとに、現状維持バイアスを乗り越える方法をご紹介します。
あらすじ(前半)
ネズミのスニッフとスカリー、小人のヘムとホーは、いつも迷路で「チーズ」を探し回っていました。
「チーズ」とは、ある人にとっては人生の目標であったり、成功、幸せとか、そういうもの。
そしてついに、ネズミの2人と小人の2人は、チーズステーションCで好みのチーズを発見したのでした!
しばらくの間、チーズを楽しみ、これがずっと続くんだと安住していたある日、
ヘムとホーは、チーズがなくなっていることに気づきます。
「こんなことがあっていいわけがない!」と2人はショックで凍りつき、どうしてこうなったのかを検討し続けました。
でもいくら考えても、状況は何も変わりません。
そんな日々が続き、検討し続けても状況は変わらないことに気がついたホーは
「チーズステーションCを離れて新しいチーズを探しに行こう!」と提案します。
しかしヘムは言いました。「ここが居心地がいい。他のところは危険だ。」
ホーもその言葉に影響され、不安を抱えながらも動き出せず、同じ日々を繰り返しました。
やがてホーは元気を失い、現状に限界を感じ始めます…。
チーズはないのに現状が居心地が良く感じてしまう
途中まであらすじを辿ってきましたがいかがでしょうか。
なにか自分と重なる部分はありますか?
現状を変えないといけないことには薄々勘付いているし、現状に辛さを感じているにも関わらず「ここが居心地がいい」と思ってしまうんですよね。
不思議なことですが、こういったことは人間にはよくあることで、
これを「現状維持バイアス」といいます。
現状維持バイアスとは
現状維持バイアスとは、現状を維持しようとする心理的な傾向を指します。
人は変化に対する不安やリスクを過大評価し、たとえ現状に不満や不便があっても、「今のほうが安全だ」「変えるのは危険だ」と感じてしまうことがあります。
現状維持バイアスの特徴
変化を避ける:「これ以上悪化するのが怖い」と考え行動を先延ばしにする。
安心感を優先:短期的な安心感を求め、長期的な利益を見失う。
行動の停滞:結果、状況が悪化しても改善に踏み出せなくなる。
ホーとヘムの場合
ホーは新しいチーズを想像し始めることで変化の必要性を感じていますが、ヘムの「居心地の良さ」を理由にした反論や、不安が彼の行動を阻んでいます。これは典型的な「現状維持バイアス」による行動の停滞といえます。
あらすじ(後編)
ホーは迷路に出かけるのが怖いと思いながらも、ついに新しいチーズを探しに出かけました。
困難なこともありましたが、恐れていたほど大変ではないと気づきます。
ある日、新しい方向に進むとき、ホーはとても強い恐怖を感じました。
しかし「もし恐怖がなかったらどうするだろう?」と自分に問いかけ、新しい道に足を踏み出してみました。
すると、不思議と心が軽くなり、満たされるような感覚が訪れます。
恐怖を乗り越えることで、楽になれることを実感したのです。
ホーは、自分がチーズの山に囲まれる光景を明確に想像しました。
すると、そのイメージが現実になるような気がしてきます。
「なぜもっと早くこうしなかったんだろう?変化はこんなに素晴らしいのに。」
そしてついに、ホーは新しいチーズステーションNを見つけました!
そこには、すでにネズミのスニッフとスカリーがいました。
2匹は変化にいち早く気づき、深く考え込まずにすぐ行動していたのです。
そのおかげで、ホーがたどり着くずっと前に、新しいチーズを手に入れていました。
ホーはこの経験を通して、変化に早く気づき、自分も変化することの重要さを学びました。
そして、心の中で願います。
「ヘムも新しいチーズを見つけて、自分を変えることができますように。」
もし恐怖がなかったら何をするだろう?
想像してみてください。恐怖の感情がなかったらどんなことをしますか?
それをするには、今よりも困難なことがあるかもしれない。
ものすごく長い時間がかかるかもしれない。
そこに向かって進んでいくのは困難な道のりかもしれません。
しかし、やり始めてみると恐れていたほど大変ではないかもしれません。
こんなことを続けて意味があるのだろうか、と迷うこともあります。
それでも「何もしないでそこにいる」よりはずっといいのです。
変化を楽しもう!
現状維持バイアスを乗り越え、変化を楽しむためには、自分の心理的な抵抗を理解しつつ、小さな行動を通じて前進することが重要です。
現状維持バイアスを乗り越える具体的方法
- 現状のデメリットを具体化する
今の状況を続けた場合のリスクや問題をリストアップする。
例:「このままだと成長できない」「健康が悪化する可能性がある」など、現状の課題を明確にします。 - 変化によるメリットを想像する
変化した場合に得られるポジティブな結果をイメージします。
例: 新しい仕事に挑戦すると、スキルアップや収入増につながる。
◎メリットを視覚化するために、ビジョンボードを作成するのも効果的です。 - 目標を細分化する
「大きな変化」は怖いですが、「小さな変化」なら取り組みやすいです。ゴールを小さなステップに分け、達成感を味わいながら進む。
例: ブログを毎日書くのが目標なら、まずは1日1行書くところから始める。 - 「失敗」をポジティブにとらえる
変化には失敗がつきものですが、それを学びのチャンスとして捉えます。 - ご褒美を設定
変化の途中で区切りをつけ、自分にご褒美を与えたり自分を褒めます。
例: 目標の10%を達成したら好きな映画を観る。
まとめ
変化を恐れる気持ちは誰にでもあります。
私もまだその恐怖に立ち向かう途中です。でも、『チーズはどこに消えた?』を読んで気づきました。
恐怖を完全に消す必要はない。
ただ、小さな一歩を踏み出してみるだけで、少しずつ心が軽くなり、変化を受け入れる勇気が育まれるのだと。
今はまだ迷路の中かもしれませんが、確かにその先には新しいチーズが待っていると信じて進んでみようと思います。
この本が、皆さんの心に少しでも希望の光を灯す手助けになれば嬉しいです。共に一歩ずつ、変化の迷路を進んでいきましょう。
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