読書感想|夜と霧に学ぶ、自分らしく生きるための軸

読書

強制収容所という極限の体験が描かれている、
ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を読みました。

読んでいく中で、この本には「自然体で生きる」ために大切なヒントが詰まっていると感じました。
というのも、最近の私は「自然体で生きられていないな」と感じることが多く、そのことを考えていたからです。

だから今回は、この本を“自然体で生きる”という視点から紹介してみたいと思います。

自然体で生きるとは?

”自然体で生きる”とは、

・他人の期待や社会の価値観に左右されない。
・自分の価値観や気持ちを大切にすること。
・自分に合ったペースで生きること。
・心の軸を持ち、自分らしさを守ること。

現代社会の中で、自分の価値観やペースで
「自然体で」生きられている人がどれだけいるでしょうか。

わかるようで難しい、壮大なテーマに感じられます。

でも本書を読み解いていくと、意外と単純なことかも?と思えてきました。

自然体で生きる=生きる意味を持つこと

この本には「未来や人生に期待すること」や、「希望をもつことの重要性」が書かれています。
つまり「生きる意味を持つこと」が自然体で生きることの鍵といえます。

理由:なぜなら、生きる意味を知っている人は心の軸を見失わないから

たとえ劣悪な環境であっても、希望をもち、生きる意味を考え続けた人たちは
自分の心の軸を保つことができていたそうです。

すべてを奪われても、あたえられた環境でいかにふるまうかという、人間としての最後の自由だけは奪えない

出典:ヴィクトール・E・フランクル「夜と霧」より

心の軸があれば、
私たちはどんな状況でも「どうふるまうか」を自由に選択できます。

それこそが、自分らしく自然体でいることにつながるのだと思います。

この言葉から生きる意味を持つことの力強さを感じ、私自身も勇気をもらいました。

どうやって生きる意味を見つける?

生きる意味を持つことが大切ということはわかったけれど、
どうやって生きる意味を見つけるの?と思いますよね。

これこそ壮大な話のように感じます。

ですが、生きる意味を見つけることは実は簡単なことでもあるんです。

「自分自身が、生きる意味という問いの前に立っている」

フランクルは本書の中で、こう語っています。

もういいかげん、生きることの意味を問うことをやめ、私たち自身が問いの前に立っていることを思い知るべきなのだ。

出典:ヴィクトール・E・フランクル「夜と霧」より

この言葉を読んで、

「生きる意味」というのは、
探し出すようなものじゃなくて、もっと身近なことなんじゃないか、と思いました。

目の前にいる大切なひと、守りたい現実、夢
「これがしたい」って、ふと湧き上がる思い。
その気持ちこそが、すでに“生きる意味”なんじゃないかって。


そしてその答えは
自分自身で紡ぎだすことしかできない、ということ。

他の人の価値観なんて関係ない。

他の誰でもない、自分が決めた生きる意味だからこそ心の軸になる。
「自然体で生きる」ことにつながる…。

そう思いました。

生きる意味はどんどん変わってもいい

生きる意味なんて言うと
まるで生まれてから死ぬまで一貫しているもの、みたいな
崇高なものを想像してしまいます。

でも実際は、自身の成長とともにどんどん変わってもいい

例えば「こんなことをやってみたい」とか「家族や大切な友人のため」とか。
身近で、自分らしい等身大の生きる意味を大切にしていけたらいい。

変わってもいいと思えたり、
いまの自分にとっての生きる意味でいいんだ、と思えたら
少しちからを抜いて生きる意味を探せる気がします。

具体例:フランクルの体験

フランクル自身は強制収容所での生活の中でどのように生きる意味を見出していたのでしょう。

フランクルは、「この強制収容所での経験を多くの人の前で講演する」、そんな自分の未来をイメージしました。

そのようにイメージを通して「自分がなぜ生きるか」を考え続けたのです。
この考えが現在の苦しみを乗り越える力になり、結果としてフランクルは人としての尊厳を守り抜くことができました。

多くの人々が希望を失う中で、彼は自分の価値観を軸に持ち続けました。この姿こそ、環境に左右されず、自分らしく自然体で生きることの象徴ではないでしょうか。

結論:自然体でいきるために、生きる意味を決める

自然体で生きるとは、他人や社会の価値観に左右されず、自分の軸を持つこと

そしてフランクルの言葉にあるように、生きる意味は外から与えられるものではなく
自分自身が決めて、行動して、選択していくものです。

その生きる意味は等身大でいいし、時とともに変わっていくのも自然なこと。
完璧である必要も、一生変わらないものである必要もない。

むしろそんな小さな生きる意味を持つことが、
自分の軸になり、自分のペースになり
自然体で生きることにつながっていくのだと思います。

自分自身を見つめ直し、生きる意味を再発見するきっかけを与えてくれる一冊でした。

もし今、ちょっとでも生きづらさを感じている人がいたら。
「自分の生きる意味は、自分で決めていい」ってことを、心のどこかに置いておいてもらえたら嬉しいです。

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