最近こんな言葉を耳にしました。
『若いうちから貯金なんてしてなんの意味があるの?』
この言葉、よく目上の人たちから聞きますよね。
自分に向けて言われた言葉ではなかったけれど、心の中でこう思いました。
「今の時代、それって本当に正しいの?」
今の時代では若いうちから貯金や投資に励んでいる人も増えています。
でも一方で、目上の世代の中には「貯金なんて意味がない」と考える人も少なくありません。
なぜ彼らはそう考えるのでしょうか?
その背景にあるのは、高度経済成長期やバブル経済を経験した時代の価値観です。
高度経済成長期とバブル世代の価値観
「若いうちは貯金なんてする意味がない」と言う世代の背景には、次のような時代の特徴があります。
働けばお金は手に入った時代
高度経済成長期やバブル経済の頃は、働けば働くほど給料が上がり、ボーナスもドカンと出た時代でした。
だからこそ、「稼いだお金は使ってなんぼ」「お金は働けばすぐ手に入る」という価値観が根付いていました。
銀行の金利が高かった
当時は銀行の定期預金の金利が 年利6%前後でした。
例えば1980年代末期には、銀行にお金を預けるだけで約12年で資産が倍増する計算です。
このグラフは、バブル期(1980年代末期)と現代の銀行金利の違いを示しています。
・バブル期(年利6%)
12年間で資産は約 2倍 になります。例えば、元本100万円が200万円になる計算です。
・現代(年利0.1%)
12年間ほとんど増えず、元本100万円が100,120円程度にしかなりません。
銀行にただお金を入れておくだけでも資産が増える時代だったため、「わざわざ貯金を意識する必要はなかった」 という背景があります。
バブル経済の「消費こそステータス」という価値観
バブル期はまさに消費社会でした。
ブランド品や高級車、不動産を持つことが「成功者」の証。お金を使わない=ケチだと見なされる風潮もあり、使うことが豊かさの象徴だったのです。
年金と退職金への安心感
当時は人口も増加し、年金制度や終身雇用が当たり前の時代。
将来の生活が保証されていると考えられていたので、「貯金しなくてもなんとかなる」 という楽観的な価値観が一般的でした。
現代とのギャップ:貯金や投資の重要性
しかし、今の時代はどうでしょうか?
- 年金減少の不安
- 終身雇用の崩壊
- 人口減少と経済の停滞
こういった背景から、バブル期のように「お金は使ってこそ価値がある」とは言えなくなり、
「貯金や投資のバランス」が重要になってきています。
なぜなら今の世代にとっては、人口減少による年金が減額あるいは支給開始年齢の後退、終身雇用の崩壊がすでにわかっている未来だからです。
そんな将来を見越して 「貯金+投資」 に取り組んでいる人たちは賢明なのではないでしょうか。
貯金や投資は 将来の自分を守るための選択 であり、「貯金を下に見る風潮」はもう古い価値観といえます。バランスの取れたお金の使い方が、今の時代にとっては必要なんです。
お金を使うだけが楽しさじゃないという考え
逆に、「お金を使わないと楽しめない」という考え方には限界があります。
お金を使うことで手っ取り早く満足感や幸福感を得られますが、その「楽しさ」は一時的なもので、
時間が経つとまた次の消費を求めてしまう。これが 「消費依存」 の限界なのです。
「お金を使うことでしか満足感を得られない状態」 に陥ると、心の豊かさとは程遠い状態になってしまいます。
確かに「ただ貯めるだけではダメ」、でも「貯金なんてするな!」は極論
たしかに「ただ貯めるだけ」ではダメな側面もあります。
現代の銀行金利では全くと言って良いほどお金が増えないからです。
しかし、「若いうちは貯金なんてするな」という極論も時代に合っていません。
大切なのはバランスです。
お金を賢く使い、余剰資金で投資をする。
『貯金は未来への保険』であり、『投資は未来を作る武器』です。
今を楽しみながら、未来の自分も大切にする。
それが、現代を生きる私たちにとっての「賢いお金の使い方」ではないでしょうか?
今、現状に応じて自分の価値観を見直せば、未来はもっと明るくなります!
一緒に、将来の自分を助ける選択をしていきましょう。
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